
給付付き税額控除、当面は給付一本化へ
所得税の税額控除と現金給付を組み合わせる「給付付き税額控除」について、与野党の実務者協議で当面は税額控除を見送り、給付のみで制度を開始する方向でおおむね一致した。対象は中低所得の勤労世代と、いわゆる「年収の壁」に直面する人が中心となる見込みだ。複雑な税額控除の仕組み構築には時間を要するため、まずは即効性のある給付で物価高に対応する判断とみられる。
背景
給付付き税額控除は、所得税の課税最低限を下回る世帯への現金給付を含むため、低所得層への支援強化策として議論されてきた。海外でも導入例があり、就労インセンティブを保ちつつ所得再分配を行う仕組みとして注目される。ただし国税庁システムや市町村業務との連携が必要で、制度設計には相応の時間を要する。物価高対応の緊急性とのバランスが課題となっていた。
論点
与党側は「まず給付で速やかに支援」「税額控除は段階的に整備」との立場を取る。一方、野党側からは「給付偏重では年収の壁対策として不十分」「税制全体の歪みを是正する包括的議論が必要」との指摘が出ている。給付額の水準、対象範囲、所得制限の有無といった制度設計の各論でも、与野党間や党内で見解が分かれる場面が見られる。
今後の展望
秋以降の臨時国会で関連法案を提出する方向で調整が進む。給付の受給漏れを防ぐ申請手続きや、自治体側の事務負担への配慮も実務的な課題となる。参院選後の政治情勢が、制度設計の最終形に大きく影響する見通しだ。
※本記事は各社の報道をもとに、編集部が再構成したものです。



