
独自上乗せで自治体ごとに濃淡
政府が5月25日に表明した2026年度補正予算案の編成を受け、全国の市議会では電気・ガス代支援や子育て応援手当の事務費を計上する独自補正の専決処分や追認が相次いだ。中東情勢の混乱と円安進行による物価高に対応するもので、7〜9月の家庭電気料金にキロワット時あたり3.5〜4.5円を支援する国施策に合わせ、自治体側で独自上乗せに踏み込むケースも出ている。議会は「迅速な執行」を評価しつつ、対象から漏れる世帯への配慮を求めた。
背景
2024年以降、エネルギー価格や生活必需品の上昇圧力が断続的に続き、政府は補正予算ベースで何度も家計支援策を打ち出してきた。一方、自治体ベースでは補助金の重複や事務手続きの煩雑さ、地域経済への波及効果のばらつきが課題として指摘され続けている。今回の国施策は夏場の電力需要期を見据えたもので、特に低所得世帯と子育て世帯への直撃を抑える狙いがあるとされる。
論点と課題
議会側からは、「電気代支援はわかりやすいが、本当に困っている層は使用量自体が少なく恩恵が薄い」「現金給付と公共料金支援のバランスをどう取るか」といった指摘が相次いだ。一方で執行のスピードを優先するあまり、所得制限の精度や住民税非課税世帯以外への配慮が不十分という意見も出ている。独自上乗せを行う自治体と行わない自治体との間で「自治体格差」が広がる懸念も論点となった。
今後の展望
国の本予算の成立スケジュールと、各自治体の補正予算の議決時期は一致しないことが多く、当面は専決処分と追認のサイクルが続く見通し。各議会は委員会審査でデータに基づく効果検証を求める姿勢を強めている。物価高対応は秋以降も継続するテーマとなる可能性が高く、地方議会には住民の生活実感を踏まえた制度設計が一層求められる。
※本記事は各社の報道をもとに、編集部が再構成したものです。



