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在職老齢年金、支給停止基準月65万円に引き上げ 高齢者就労促進へ

在職老齢年金制度の支給停止基準額が4月から月50万円から月65万円に引き上げられ、5月の年金支給日から新基準が反映された。働きながら厚生年金を受給する高齢者の年金カット幅が縮小する。人手不足の中、高齢者就労促進が狙いだ。

在職老齢年金、支給停止基準月65万円に引き上げ 高齢者就労促進へ

働く高齢者の年金カット幅が縮小

在職老齢年金制度の支給停止基準額が4月から月50万円から月65万円に引き上げられ、5月の年金支給日から新基準が反映された。働きながら厚生年金を受給する高齢者の年金カット幅が縮小する形となる。人手不足が深刻化する中、高齢者の就労促進が狙いとされる。2025年成立の年金制度改正法に基づく措置で、社会保険適用拡大では月8.8万円賃金要件の撤廃が段階的に進む。政府は「全世代型社会保障」実現の柱と位置付けている。

背景

在職老齢年金制度は、働きながら年金を受給する高齢者の賃金と年金合計額が基準を超えると年金が一部停止される仕組みで、長らく「働き損」感を生む制度として見直しが求められてきた。少子高齢化の進行で生産年齢人口が減少を続ける中、シニア層の就労継続は労働市場の重要な担い手として位置付けが高まっている。今回の引き上げは、年金停止を気にせず働き続けられる範囲を大きく広げる意義があり、人手不足が深刻な業種ほど効果が期待されている。

論点

賛成派は、就労インセンティブの強化により高齢者の社会参加と経済貢献が拡大すると評価する。雇用主側にとっても、経験豊富な人材を長期的に活用しやすくなる利点がある。一方で慎重派は、年金財政への長期的影響を懸念し、また高所得高齢者ほど恩恵が大きく若年世代との公平性に課題が残ると指摘する。同時に進められる社会保険適用拡大では、これまで対象外だったパートタイマーなどへの保険料負担が生じ、企業や家計への影響を精査する必要がある。

今後の展望

政府は引き続き「全世代型社会保障」改革を進める方針で、年金支給開始年齢の柔軟化や、医療・介護を含めた給付と負担の見直し議論が今後も続く見通しだ。今回の改正効果を検証しつつ、就労継続を支える法律や企業側の体制整備も論点となる。シニア層の働き方の選択肢を広げる動きと、現役世代の負担軽減を両立できるかが大きな試金石となりそうだ。

※本記事は各社の報道をもとに、編集部が再構成したものです。